「ふぃー。今日も疲れたね、真」 「そうだね」 「さて、今日はなに作ろっかなー。ふんふ〜ん♪」 「あの…春香」 「ん〜?なーに?」 「えっと・・・急で悪いんだけど、今日春香の家に泊めてもらえないかな」 「へ?」 「む、無理なら良いんだ!あはは!・・・はぁ…」 「んー。うちに泊まるのは良いんだけど、どうしたかくらいは聞きたいな。  まぁ話したくなかったら良いけど」 「いや、話すよ。えっと………簡単に言うと、雪歩怒らせちゃった…」 「雪歩を?」 「うん。ボクって可愛いって言われるのに弱くってさ・・・街中で会ったファンに可愛いって言われたら嬉しくなっちゃって…  デレデレしてたら雪歩が…」 「ん。話してくれてありがと。事情は分かった。ちょっと電話してくるから、帰り支度しててくれる?」 「うん、悪いね」 「困った時はお互い様だよ」 ポパピプペ 『あ、もしもしお母さん?今日友達連れて帰るから。ううん、今日は千早ちゃんじゃなくて真。  ほら、前見せたステージで一緒に踊った子。お母さんが可愛いって言ってたじゃない。そうそう!うん。うん。  てことで、今から一緒に帰るから、じゃあねー』 ポパピプペ 『もしもし千早ちゃん?今電話大丈夫だったかな。ゴメン、今日そっち行けなくなっちゃって…。うん。  えぇっ??千早ちゃんも!?いや、こっちも真がさ…うちに来たいって。うん。  そっかー。じゃあ二人の仲直りに人肌脱いであげよっか!うん。  あ、でも千早ちゃん・・・浮気しちゃやだよ・・・?  えへへ、私も大好き。ありがと!  それじゃあ、また明日ね!バイバイ!』 「真お待たせ。支度できてる?」 「いつでも行けるよ」 「うん、それじゃあ行こうか!」 ・・・・・night 「電気消すね 「うん」 カチッ 「寒くない?」 「うん、大丈夫。ありがとう春香」 「・・・」 「・・・」 「春香」 「ん?」 「今日はありがとう。ご飯もおいしかったし、楽しかった」 「えへへ。良かった。少しは元気出た?」 「うん。おかげ様で。雪歩に謝る勇気も持てた。明日ちゃんと謝るよ」 「うん、よろしい。雪歩は、千早ちゃんが付いてるから大丈夫だよ」 「千早?なんのこと?」 「雪歩ね、今日千早ちゃんの家に泊まってるんだ」 「えぇ?そうだったんだ…。なんか悪かったな二人に…」 「ううん。困った時はお互い様だもん。私も千早ちゃんも、雪歩と真にお願いされたら、出来る限りのことはしてあげたい」 「そう言ってくれると嬉しい。ボクらもいつか、春香と千早のために何かしてあげられるようにならなきゃね」 「ふふっ、期待してるよ」 「うん」 「・・・」 「・・・」 「ねぇ、春香」 「なーに?」 「春香は、千早に好きな人が出来て自分の下から離れて行っちゃうとか考えたことある?」 「どしたの急に?」 「いや、例えばの話」 「ん〜。今のところは無いなぁ。千早ちゃん、私のこと大好きだし」 「はははっ。言うね〜」 「でもね、こんなに私のことを好きでいてくれる中で、それ以上に千早ちゃんが好きになったって人がいるのなら  素直に応援してあげるつもりだよ?千早ちゃんの笑顔を見るのが、私の一番の幸せだから」 「そっか。春香らしいね」 「えへへ…。真は、雪歩が離れて〜とか考えるの?」 「ボクさ、雪歩に甘えてばっかりの状態だから、雪歩がいなくなったら困るなーって思うことは多々ある」 「なるほど」 「でも、ボク以外の人を好きになる雪歩って、考えたくない。春香みたいに応援とか出来ない…。  雪歩は、ずっとボクのことを好きでいて欲しい」 「あー、本人に聞かせてあげたい。雪歩喜ぶよ?」 「うん。伝えるよ、ボクの気持ち。ちゃんとね」 「ふふっ。じゃあもう寝よっか」 「うん。長話に付き合ってくれてありがと、春香」 「ううん。楽しかったよ。おやすみー」 「おやすみ」 ・・・Epilogue 「真ちゃん!早くはやく〜!」 「待ってよ雪歩〜」 「雪歩たち、仲直り出来たみたいだね」 「そうね、いつも以上に楽しそうだわ」 「雪歩から聞いたよ?千早ちゃん、格好良かったんだって?」 「どうかしら。ずっと萩原さんの話を聞いてただけよ」 「ふ〜〜〜ん」 「な、なに?」 「別にー。抱きしめられたり手を握られたり、雪歩は羨ましいな〜って思っただけ」 「は、春香…私は…」 「あーあ。私も抱きしめてくれる可愛い子いないかなー。な〜んて」 ギュッ 「か、可愛い子じゃないけど…」 「ふふっ。何言ってるの。今の千早ちゃん、すっごく可愛いよ?」 「バカ…」 「温かい。千早ちゃんの心臓、ドキドキしてる」 「言わないで。恥ずかしいわ」 「えへへ。照れてる千早ちゃん可愛い」 「知らないっ(プイ」 「ふふっ。さて千早ちゃん分も補充できたし、帰ろっか」 「うん…」 END