----------------------------------- 登場人物 はーちゃん:ちっちゃい春香 ちーちゃん:ちっちゃい千早 ----------------------------------- 【音楽一家】 部屋の一角にあるグランドピアノ 春香とお金を出し合って買ったもの ちょっと値段は高かったけど、後悔はしていない ピアノが届いた時は、皆大喜びだった 「春香ママ、ピアノ弾いて!」 「はいは〜い。何が良い?」 春香がピアノを弾いて、はーちゃんとちーちゃんが歌う これが一つの日常になっていた 「さんぽ!」 「おっけーい」 (チャーチャラララン。チャーチャーチャラララン。チャーチャーチャラララン。ララララン。チャラララン) 「「あ!る!こー!あ!る!こー!わたしはげんきー!」 小さな部屋で始まるコンサート 観客は私一人だけど、はーちゃんとちーちゃんは、力いっぱい元気良く歌っていた ・・・ パチパチパチ 曲が終わり、拍手をする私 そんな私の元へ、はーちゃんがトコトコと近づいてきた 「どうだった?」 「えぇ。二人とも、とっても上手だったわ」 「えへへ…」 私は、はーちゃんを膝の上に抱きかかえた 照れる姿は春香そっくり きっと将来、ママに似た可愛い女性になるだろう 「あ〜る〜こー?」 歌が終わった後、何かを確かめるように小節を口ずさむちーちゃん 何かが納得いかないみたい ふふっ、誰に似たのかしら、全く 「そこはね、『こー↑』よ」 「こー!」 「そう、上手ね、ちーちゃん」 「エヘヘ…あ・る・こー!」 嬉しそうに私の真似をするちーちゃん この子は歌姫って呼ばれるようになるのかしら 「千早ママも一緒に歌おう?」 「えぇ」 はーちゃんに引っ張られ、私もステージへ 春香と目が合う にっこり微笑む 「じゃあ次は・・・」 歌うことが大好きなこの家族を、これからも守っていきたい